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失敗しないエンジニア採用その⑫:選考で評価すべき3つの非技術的指標

こんにちは。株式会社ハイヤールー代表の葛岡(@kkosukeee)です。毎週、失敗しないエンジニア採用についてオウンドメディアに記事を投稿しています。第十二弾は優秀なエンジニアを選考プロセスで見極めるのに必要な選考で見るべき非技術的なポイントを、筆者の体験に基づき※社内ノウハウ集よりご紹介します。

本記事ではコミュニケーション能力やカルチャーフィットの様な非技術的な見るべきポイントの概要と、なぜ・どのように見るべきかを詳細に説明し、実際にそれらをもとに弊社で採用している選考の際使用する評価テーブルもご共有します。

エンジニア採用に関わる人事の方、これからエンジニア組織を作っていく経営者の方などに参考となる記事になっていますので是非ご一読下さい。

(これまでの記事はコチラ👇)

※採用ノウハウ集とは弊社がプロダクト開発前に100社程を対象にエンジニア採用に関してヒアリングした結果と創業メンバーの実体験をもとに社内向けに書かれた約50ページほどのDocs

面接で見るべき3つの非技術的なポイント

これまで第七弾から第十弾に渡り、海外企業であるGoogleやFacebook、国内企業であるDeNAやメルカリの先行事例に関して記事でご紹介しました(まだの方はこちら:Google, Facebook, DeNA, メルカリ)。以下は筆者の実際の経験を元に強いエンジニアリング組織を持つ企業が選考において見ている3つの非技術的なポイントについて(What?)、なぜ必要で(Why?)、どのように見るべきか(How?)の詳細について説明します。

(以下ノウハウ集抜粋)

思考プロセス・地頭

What?

特定のスキルがあるかとは別軸で、過去に直面したことのない難しい問題に対してどのように建設的に問題を解くか、地頭がよいかを判断する指標。一般的なIQに近いところを見る指標であるため、論理的思考力に近い指標。

Why?

エンジニアの業務は同じことの反復作業ではなく、クリエィティブワークであるため、日々過去に直面したことのない問題に直面することがある。その中でトラブルや自分の知らない新しい技術に対してパニックになることなく、建設的に問題を解決できることが日々成果を出す中で非常に大事であるため、必ず評価すべき指標である。

特に様々なプロジェクトが動いており、特定の技術スタックの知識よりかは適応力などが求められる企業(ビッグテックが徹底的に見るのはこれが理由)においてはより重点的に見るべき指標である。

How?

図1:Googleが初期にカリフォルニアとマサチューセッツで行った採用目的のBrain Teaser(なぞなぞ)

論理的思考力を評価する様な少しなぞなぞに近い問題を過去に出していた企業もあるが(Googleの有名ななぞなぞ問題もこの部類に当たる)、最近では統計的にそれらの問題は効果がないということがわかっているため、短い時間で十分に思考プロセス等を評価する方法としてアルゴリズム形式のコーディング試験を対話方式で実施するケースが多い。

コーディング力と思考力を同時に評価するアルゴリズム形式では、コミュニケーションを取りながら、候補者の難しい問題に挑む姿勢や、対話を通してわかる思考力等からそれらを評価している。

コミュニケーション能力

What?

一般的なコミュニケーション能力に加え、技術的なディスカッション(システム設計等の専門知識を必要とするチームで行うディスカッション等)がチームで行えるか否かを問うための指標。実務では一人で淡々とこなす個人開発と異なり、チームで建設的なディスカッションを行いながら開発を進めるため、それに当たり十分なコミュニケーション能力、技術的なディスカッションが出来るかを評価する指標。

L1からL5(※)まで、全てのエンジニアレベルで求められ、特に現場レベルエンジニア(L1~L2)と比較して、チームリードやマネージメント層(L3~L5)においてはチームコミュニケーションをリードしたり議論をまとめたりする必要があるためより重要になる。

※L1(Level 1)からL5(Level 5)とは弊社が定義した5段階のエンジニアレベル中の定義である。エンジニアレベルとは経験年数や年収感や所属企業などで定性的に評価されるレベル:https://blog.hireroo.io/entry/2022/01/19/102911

Why?

組織で成果を出すためにはチームとしてパフォーマンスを出すことが極めて重要であるため、採用時に必ず評価するべき指標。技術力はあっても、コミュニケーション能力が低いとチーム内で孤立してしまうケースや、採用後オンボーディングに必要以上時間がかかったりするケースが発生したりするため、必ず評価するべきである。

How?

コミュニケーション能力は口頭面接等で比較的容易に評価ができる。コミュニケーション能力を評価するための面接を設計している企業は多くなく、大多数が対話方式で行うコーディング試験行動面接等を用いて評価している。

GoogleやFacebookではコーディング試験で候補者と一緒に問題を解く中で、対話方式でヒントを与えたりしながら、黙々と黙り込んで解答を書く場合に低い評価、自分の思考プロセスをうまく言語化し、説明しながら適切にコミュニケーション取る人は高く評価される。

カルチャーフィット

What?

自社の行動指針(バリュー)に沿った行動ができるか、会社の社風と候補者がマッチしているかを判断する指標。他の指標と異なり、企業間で評価基準が違うため、自社の行動指針に照らし合わせながら、候補者の過去の行動などからどのくらいマッチするかを評価する全てのエンジニアレベルで評価されるべき指標。

技術的な能力とは別で、各企業の行動指針(バリュー)に沿った行動ができるか、内部で活躍できる人材であるかなどを見る指標。

Why?

エンジニア採用におけるミスマッチは大きく2種類に分かれており、1つ目が技術力により生じるミスマッチ、2つ目が社風に合わずに発生するミスマッチであり、後者を防ぐために技術面と同様に必ず評価すべき指標である。

社風にフィットしない人材を採用してしまうと、社内でハレーションが起きたり、早期退職につながることも多いため、技術力と同様に必ず評価すべき。

How?

各企業の行動指針(バリュー)と照らし合わせ、行動指針に則った行動ができるかを過去の言動ベースで評価する行動面接の手法が一番よく使われる。例えばGoogleではGooglinessと呼ばれる呼ばれる特性があり、以下を定義している:

  • Not just being cool, but really-really cool
  • Being out of the norm
  • Being an out-of-the-box thinker

これらそれぞれの項目に対し、候補者の過去の言動がわかるような設問を用意し問いかけ、それに対する解答で社風とあっているかを評価する。メルカリでは非常にわかりやすく、面接内で「最近仕事でGo Boldだなと思うアクションはどんなものがありましたか?」等が面接中に聞かれたりする。

非技術的項目評価テーブル

これまで面接を通して見るべきエンジニアの技術的な項目や見極める方法について説明しました。ここではそれらの項目を用いて、候補者を実際の面接で評価する際に役立つ4段階の評価テーブルをご紹介します。GoogleやFacebook等もこれまでの記事で紹介したとおり、構造化面接(※)を実施する中で事前に以下のような評価基準を定めることで属人化しない採用を実現しています。 ※応募者全員に一貫した同じ質問をし、明確な基準に従って回答を評価する面接

それぞれの企業で「悪い」から「非常に良い」まで、定義が多少異なる場合もあるかと思いますので、必要に応じて修正し、自社で評価する際にお使いください。ただその際4段階から5段階に変えることはおすすめしません。これは5段階に評価にすると3に収束しがちで、最終的にHire/No Hireの判断を下すのに有益な上ではないためです。

悪い 普通 良い 非常に良い
思考プロセス・地頭 複雑な問題を段階的に解くなど建設的な思考もみられず、ヒントなどを与えても即座に反応がなく、問題解決に至らない。 思考プロセスの言語化はできていないが、複雑な問題に対し都度ヒントを貰いながら徐々に問題を解くことができる。 与えたヒントに即座に反応し複雑な問題を解くことができるが思考プロセスの言語化はいくつか気になるところがある。 思考プロセスを的確に言語化できており、与えられたヒント等に即座に反応し複雑な問題を建設的に解くことができる。
コミュニケーション能力 他人の意見や助言を求めようとせず、一人で議論を進める。意見や助言等を与えても自分のアイデアに固着し建設的な議論ができない。 他人の意見や助言を自分から求めることはないが、与えた意見や助言に対して耳を傾ける姿勢を持ち議論を進めることができる。 自分から進んで意見や助言を求め議論を進め、聞く姿勢もしっかり持っている。時折意見を押し切る傾向があるが建設的な議論を進めることができる。 積極的に自分から意見や助言を求め建設的に議論を進めることができる。相手の意見に対して聞く姿勢を持ち、適切なコミュニケーションがとれ議論を先導することができる。
カルチャーフィット ミッション、バリューへの共感がみられず社内での活躍が懸念視される。過去の経歴にもバリューを体現した様子は見られない。 ミッション、バリューへの共感は見られるが過去の経歴からではバリューを体現している様子は見られない。 ミッション、バリューへの共感が見られ、過去の行動からいくつかのバリューを体現している様子が見られるが同時に体現していないバリューもみられる。 過去の経歴や行動などが全てのバリューを体現している。またミッションやバリューへの深い共感がみられ社内での活躍への不安要素がない。

まとめ

最後まで読んでいただきありがとうございます。本記事ではエンジニアの選考を通して見るべき3つの非技術的なポイントについて説明しました。筆者がこれまで経験した採用フローの中では、いずれの企業もそれらの項目をコーディング試験や、システムデザイン試験等、様々な面接手法を通して評価しており、それらの手法についても簡単に説明しました。

次回の記事では選考プロセスにおいてするべきこと、しないべきことを母集団形成編同様にDO’s/DON’Tsとしてご紹介しますので、そちらも乞うご期待ください。

また弊社が提供するコーディング試験サービス『HireRoo(ハイヤールー)』では、本記事で紹介した思考プロセスや地頭を評価するためのアルゴリズム形式問題から、専門知識を問う技術特化形式問題や選択形式問題、更には設計力を評価するシステムデザイン形式問題まで、全てがAll in Oneで一つのツールでお使いいただけます。

もし読者の方で「選考時に候補者の技術力を測れない」、「過去にミスマッチが起きて、もう絶対起こしたくない!」等の課題を持たれている方がおられましたら、お気軽にお問い合わせください。それではまた次回!

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