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失敗しないエンジニア採用その⑩:メルカリ選考事例(国内編)

こんにちは。株式会社ハイヤールー代表の葛岡(@kkosukeee)です。毎週、失敗しないエンジニア採用についてオウンドメディアに記事を投稿しています。第十弾は優秀なエンジニアを採用する際に欠かせない選考手法の国内事例を、筆者の体験に基づき社内ノウハウ集よりご紹介します。

本記事では国内メガベンチャーであるメルカリの選考事例について、筆者の実際の体験談をもとにご紹介します。国内企業のため、これまで紹介したグローバル企業の手法とは異なる点が多数あり、参考にしやすいと思います。

エンジニア採用に関わる人事の方、これからエンジニア組織を作っていく経営者の方などに参考となる記事になっていますので是非ご一読下さい。

(これまでの記事はコチラ👇)

メルカリの採用プロセス

図1:メルカリの構造化されたエンジニア採用プロセス

エンジニア選考プロセスの改善 | メルカリエンジニアリング

メルカリは海外エンジニアが占める割合が非常に多く、国内企業でありながら組織もグローバル化しており、非常にエンジニアリング力の高い企業です。エンジニア採用には構造化面接の手法を取り入れており、2020年のアドベントカレンダーでも紹介されています。

一方私が2020年に入社した際に受けた面接では、AIの部署での採用ということもあり、アドベントカレンダーで紹介されているプロセスとは少し異なり、そのことから部署を横断して構造化されているわけではなく、半構造化面接とも言えます。

採用プロセスは部署によって異なりますが、ここでは筆者が実際にメルカリのAI部署入社時に受けた面接を※採用ノウハウ集より具体的にご紹介したいと思います(前述の通り、ポジションによって採用方法は異なる点ご留意ください)。

※採用ノウハウ集とは弊社がプロダクト開発前に100社程を対象にエンジニア採用に関してヒアリングした結果と創業メンバーの実体験をもとに社内向けに書かれた約50ページほどのDocs

(以下採用ノウハウ集抜粋)

エントリー

概要

Wantedly等の求人サイト経由で応募、またはエージェント経由でスカウトされエントリーが可能(知り合いがいる場合はリファラル制度もある)。応募の場合は人事の人が学歴・職歴等一般的な項目を確認後、技術的な文脈は現場のエンジニア等にも見てもらい次に進むか否か決める。人事の方が書類選考通過の判断をすることもあれば、エンジニアがポートフォリオや研究などをもとに判断をすることもある。

実体験

LinkedIn経由でエージェントからスカウトが来たので話を聞いてみることに。エージェント経由で履歴書を共有し、その後書類選考通過の旨、連絡を頂いた。

技術面接(宿題形式)

概要

ポジションによって異なるが、数日かけて行うような宿題形式の課題から、海外でよく行われるアルゴリズム形式のもの等、エンジニアを技術力を評価するプロセス。対面で行う形式もあるが、それぞれの技術試験で事前に定義したRubric(評価基準でスプレッドシートなどで管理)等をもとにエンジニアリングマネージャ等が評価を行う。

実体験

LinkedIn経由でエージェントからPDFで技術試験に関する案内を共有してもらい、提出期限は一週間程与えられた。問題の内容はAI部署というポジションもありAIエンジニアでちゃんと経験があれば一日あれば解けるような課題であった。書いたコードやドキュメント等をZip化し、エージェントに共有した上、後日エージェントから通過の連絡をもらった。

技術面接(対面形式)

概要

前のステップで提出した技術課題に関して、追加での質問等を対面形式で行う形式。面接官としては採用された際に一緒に働くであろうエンジニア、またはマネージャーで、1時間ほどの時間の中で、実装するに際して注意したところ、トレードオフ等を話す。面接官は事前にコードを確認して面接に望むケースが多い。

実体験

初めてメルカリのオフィスに訪問し、外国籍のエンジニアリングマネージャーと1時間ほど英語で会話。内容は前のステップで解いた課題に対してのフォローアップの質問や、成約が異なる場合にどのように対処するか等、技術的なディスカッションを行った。特にその場でコードを書くことはなく、必要に応じてホワイトボードなどを使用し会話をする形式。

マネージャー面接

概要

エンジニアリングマネージャー等のポジションの方と1時間ほど対面でお話をする。カルチャーフィット、ビジョンバリューに共感等、非技術的なところをみる(※行動面接に近い)。場合によるが技術的なディスカッションはほとんどなく、ビジョンに沿った行動をとれているか、リーダーシップなどに関する質問と過去にどのように問題に直面して解いてきたかを話す。またこの面接を通してグレード給与が決まることもある。

実体験

AI部署のディレクターの方と1時間ほどお話をした。バリューに沿った行動をこれまでしてきたか等、テックリードとしての採用だったので過去にどのようにチームメンバーと仕事をしてきたか、発揮したリーダーシップや過去に携わったプロジェクトの話をした。

※行動面接とは仮説的ではない過去の行動に基づいたあるシチュエーションでどういった行動をとったかをもとに候補者のリーダーシップや行動力等を評価することが目的の面接:

blog.hireroo.io

※リファレンスチェック

概要

bachcheckを使ったリファレンスチェックを行う。内容としては前職の上司2人ほどを指名し、backcheckを通してストレス耐性や、コンプライアンス観点でのリスク等を、一緒に仕事をしたことのある人から調査する。対面形式ではなく、非同期的にbackcheckを通して行われ、提出までの期間は約2週間ほどが与えられるケースが多い。

実体験

エージェント経由でbakcheckのリンクを渡され、リファレンスを提出してほしい上司を2名指名する。指名された2名はいずれもディー・エヌ・エー時代の上司で、共に仕事をしていた人。指名された人は名刺や役職を記述後、backcheck側で用意された項目をもとにリファレンスを提出。かかった期間は数日程度。

※リファレンスチェックとは過去一緒に仕事をしたことある人に、候補者の方がどういった人か、一緒に仕事をした際にどの様に見えていたか等を定性的に評価することが目的の面接:

blog.hireroo.io

オファー

概要

オファーレターが企業側で用意できたタイミングで、候補者に通知し、場合によるが対面でオファーレターの概要を説明する。オファーレターの内容としては、給与・賞与・グレードや、就労規則、その他入社日などの記載がある。期限は数週間とそれほど長くないので、その期間で承諾するか否かをリクルーターの人に伝える。

実体験

エージェント経由でリファレンスチェックから数日後オファーが出た旨の連絡があった。その後オファーレターをいただき、内容を確認。同じタイミングで前記事に書いたFacebookも受けており、最終選考プロセス前ではあったが、頂いた内容で承諾、サインをしてエージェント経由で返した。

採用プロセスを振り返って

メルカリは外国籍エンジニアの比率が過半数を超えていることも有り、採用プロセスもかなりビッグテックよりなのかなと勝手に想像していましたが、私が受けたAIの部署に関しては一般的な国内のプロセスと大きく変わりませんでした(ただし他に受けたことある人の話を聞くと大分構造化され、ビッグテック寄りになっているとのこと)。

前回の記事で紹介した、ディー・エヌ・エーの選考プロセスに近い側面もいくつかあり、技術面とカルチャー面をバランス良く5:5程の割合で評価された印象を受けました。総じて技術面接でディスカッションしたエンジニアの方とは非常に建設的なディスカッションができ、メルカリで働く面白さ等が常時垣間見れる非常に有意義な選考プロセスでした(またオファーレターの返事待ちの期間なども定期的にリクルーターの方から連絡があり、アトラクトのディナーなども企画してもらい非常に魅力的でした!)。

まとめ

最後まで読んでいただきありがとうございます。本記事では採用プロセス編の記事として、メルカリの選考事例をまとめました。次回の記事ではこれまでの事例等を元に、企業が選考プロセスで評価すべき項目と方法に関してご紹介いたしますのでそちらも乞うご期待下さい。

また弊社ではビッグテックも実践しているライブコーディング等やオンラインでのアセスメントを自動化するコーディング試験サービス『HireRoo(ハイヤールー)』を提供しています。もし読者の方で「選考時に候補者の技術力を測れない」、「過去にミスマッチが起きて、もう絶対起こしたくない!」等の課題を持たれている方がおられましたら、お気軽にお問い合わせください。それではまた次回! https://hireroo.io/