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ここからはじまる、エンジニア採用

失敗しないエンジニア採用その⑥:選考手法の紹介

こんにちは。株式会社ハイヤールー代表の葛岡(@kkosukeee)です。毎週、失敗しないエンジニア採用についてオウンドメディアに記事を投稿しています。第六弾は採用プロセス最初の記事で、優秀なエンジニアを採用する際に欠かせない選考の手法についてご紹介します。

これから約6本の記事に渡り採用プロセスで欠かせないこと、国内・国外企業の事例、どのような評価指標があるかなどをご紹介します。

エンジニア採用に関わる人事の方、これからエンジニア組織を作っていく経営者の方などに参考となる記事になっていますので是非ご一読下さい。

(これまでの記事はコチラ👇)

採用選考の目的

企業が人材を採用する際は採用選考を行い、応募のあった候補者が自社が求めている人材か、行動指針に則った行動をできるかを短い期間(数週間から長くて数ヶ月)で見極めるプロセスが選考プロセスです。目的は採用後に発覚するミスマッチ、期待値のズレなどを極力なくすことにあり、後述する様々な手法を使い様々な視点から候補者を評価します。

弊社のヒアリングの結果、エンジニアを採用するテック企業で、過去に一度でもミスマッチを起こしたことがある企業は8割以上で、ヒアリングの結果から一人あたりのミスマッチにより生じるコストは数百万円から数千万円にのぼることがわかっています(払い続けないといけない給与、教育にかかるコストなど)。

これらのことから、企業がじっくり選考プロセスを通じて候補者の見極めを行うことの必然性、重要性がわかります。更にミスマッチは技術的な要因から生じるケースもあれば、カルチャーフィットせず起きるケースもあり様々です。弊社のヒアリング結果、エンジニア採用におけるミスマッチは以下のケースが非常に多いことがわかりました。

  • 実績のないエンジニアをポテンシャルで採用した結果、中々成長せず、期待通りのパフォーマンスを出せなかった
  • EM(Engineering Manager)・TL(Tech Lead)層の人材を高い金額で採用したが期待したパフォーマンスを出せなかった
  • コミュニケーションに難があり、チーム開発でワークしなかった
  • 企業のカルチャーと候補者の働き方が合わず、思ったパフォーマンスを出せなかった(カルチャーアンマッチ)

選考手法の紹介

エンジニア採用における選考の種類
図1:選考種別に評価できる項目が異なる

企業はエンジニアを採用する際に様々な手法を試しミスマッチを最小限にすることで、チームの高い士気を維持でき、結果として強いエンジニアリング組織を構築することができます(ミスマッチは経営者の頭も非常に悩ませるため、本当に大変です)。

ここでは採用ミスマッチを減らすために企業が実践できる選考の手法と目的、更に何が評価できて何が評価できないかをノウハウ集より抜粋し説明します。説明にある通り、どれも一長一短ですので銀の弾丸は存在しません。これらを組み合わせ、自社にとって最適な選考プロセスを構築することがミスマッチを防ぐ鍵になります。

(以下ノウハウ集抜粋)

書類選考

履歴書・職務経歴書を提出してもらい、経歴や学歴を元に人間が定性的に判断する選考のプロセス。明らかに後段の選考に進んでものちに落ちることが分かっているケースや、そもそも応募要項を満たしていない人を落とすためのステップで後段の選考への負荷をさげるためのスクリーニングが目的。一般的には人事の方が実施することが多いが、一部ではポートフォリオ等をエンジニアが確認することもある。一般職に限らず、エンジニア職でも実施することが多い。

判断できるのは候補者の学歴、職歴等で、新卒は学歴・インターンでの経験重視、中途で社会人経験が3年以上のケースは職歴重視、学歴も参考程度に見ることなどが一般的(Googleによると学歴と実務のパフォーマンスには大きな相関がなく、これは社会人経験が長ければ長いほど真実であることが分かっている)。

大きな企業で採用プロセスの効率化が必須の企業になればなるほど書類選考がもたらすインパクトは大きく、通過基準が低すぎると一次面接はその次などで工数が課題視される。ただ候補者を書類数枚から完全に判断することは不可能に近く、得られる情報には限りがあるので当たり前だが万能ではない。

技術試験

ホワイトボードやオンラインツール(HireRoo, Track等)等を使い、アルゴリズム形式の問題やシステム設計の課題を候補者に与え、時間内に解いてもらうと言ったいわゆるコーディング試験と言われるステップ。エンジニアは技術職で手を動かす仕事のため、技術力が自社の求めているものに達しているかを見極めるのが目的。このプロセスはテクノロジーのバックグラウンドが必要なため人事では難しく、エンジニアが行うのが一般的。特に海外企業ではスタートアップ含め当たり前のように実施されている(そのため海外候補者の中では、コーディング試験がないと企業に関して不安を覚えるという声も)。

判断できるのは候補者のコーディング力、コンピューターサイエンスの知識、システムの設計能力等で、二分木やスタック等のデータ構造・アルゴリズムの知識を問うものやTwitterの一部を設計する課題などを含む。実際にサーバーなどを構築する課題を与える企業もあるが国外では少数派(Google曰く、技術は日々進化するのである技術における知識があるかより基礎の部分に根深い知識があるかで適応能力を見ているとか)。また海外ではインタラクティブに行う対面式が一般的で、コミュニケーション能力や思考プロセスを対話を通して評価しているところが多い。

書類選考を通過した場合でも各々技術力はもちろん差異があったり、各々できるの尺度が異なるため、コーディング試験を通して企業が求めているレベルに技術力が達しているかを見極めることができる。ただしライブコーディングは面接官の負担も重く、ある程度の知識がないと適切に行えないため誰でもできるわけではない。そういった中、宿題形式のコーディング試験なども多いが、どちらも技術力を中心的に評価するものであり、リーダーシップや行動力などは評価できない。

一般的なコーディング試験の例としては以下が挙げられる: * 「二分木の右側に立っている時に見えるノードを上から順に連結リストして返すプログラムを書いて下さい」 * 「原点に立っている時、あなたからマンハッタン距離が近いN人を効率的に求めるプログラムを書いて下さい」

一般的なシステムデザイン試験の例としては以下が挙げられる: * 「Twitterのタイムラインのシステムを設計して下さい」 * 「Facebookのニュースフィードを設計して下さい」

行動面接

海外ではBehavioral Interviewと言われる、仮説的ではない過去の行動に基づいたあるシチュエーションでどういった行動をとったかをもとに候補者のリーダーシップ、行動力、問題解決能力、コミュニケーション能力を評価することが目的。面接官が候補者に事前に用意した質問を「過去に◯◯した時、どの様なアクションを取ったかを教えて下さい」などと言った感じで候補者に答えてもらう。採用された際に一緒に働く可能性がある同僚やマネージャーが面接官として実施する場合が多い(よってエンジニア職ではテクノロジーのバックグラウンドがある人が実施するのが一般的)。

書類やコーディング試験など、スクリーニングのフェーズを通過した後に実施することが多い。ほとんどの企業が会社のバリュー(行動指針)などと照らし合わせて事前に問題を用意して、面接官が回答をメモした後に定性的に事前に定められたRubricをもとに評価している(メルカリを例にすると、Go Bold(大胆にやろう)というバリューに対して〇〇の回答はGo Boldな行動だったと思えるため評価といった感じ)。

エンジニア、非エンジニア職関わらず、カルチャーや行動指針にあっているかを評価するのは優秀だけどうちにあわないといったミスマッチを防ぐのに必要なプロセスであり、後述する役員面接などで一部行動面接的な感じで補っている場合もあるかと思うが、選考のどこかで必ずやるべきプロセス(理想的にはスクリーニング後の後段)。パーソナリティを理解するには良いが、技術力や専門性を理解するには不十分なので補完的に実施するべき。

一般的な質問例としては以下が挙げられる: * 「過去に野心的な目標を掲げた時どの様に目標を設定し、どの様にその目標をチームとして成し遂げたかを説明して下さい」 * 「過去にチームのメンバーと対立が起きた時、どの様にメンバーと向き合い和解をしましたか?」

リファレンスチェック

過去一緒に仕事をしたことある人に、候補者の方がどういった人か、一緒に仕事をした際にどの様に見えていたか等を定性的に評価してもらい企業側に提出してもらい、第三者の評価をもとに候補者を評価するステップ。海外企業では一般的で、元上司などに依頼することが多い。最近ではbackcheckなどを筆頭にサービスも出てきており、スタートアップを含む国内企業でも取り入れている企業が多い。

判断できるのは候補者の客観的な評価で、実際に一緒に仕事をしたことがある人等の意見をもとに候補者の許可を得た上で行う。書類、技術試験、行動・仮説面接などではみることのできない側面が見える点が効果的であり、ミスマッチを防ぐことが目的である。

職種問わず行うのが一般的で、筆者もメルカリに入る前にbackcheckを使用してDeNA時代の上司2人にお願いしリファレンスチェックを行った。第三者からの客観評価があることで、より採用の精度を上げることができる一方、基本的には候補者側でリファラーを選ぶため自分に有利なことを発言してくれる人を選定することも可能であるため万能ではない。

一般的な質問例としては以下が挙げられる(リファラー向けの質問): * 「候補者とはどの様な関係でしたか?」 * 「候補者のストレス耐性、メンタル面に懸念を感じる出来事が過去にありましたか?あった場合は詳しく説明して下さい」

役員面接

役員に限らないが、一緒に仕事をする人であろう上司などと行う面接。最終面接になることが多く、ある程度ここに来る時点で内定の確度が高いのが一般的。給与やグレードが決まり、オファーを出す上で必要な情報をまとめたりすることがこのプロセスの目的。ただカルチャーマッチなどを考慮し選考をする場合もあるので、ノックアウトファクター等が見られた場合このステップでお見送りになることはある。

面接官である役員、または上司になるかもしれない人が定性的に候補者を判断した上、採用の合否、給与・グレードなどを決めることが目的のため、相性、コミュニケーション能力、カルチャーマッチ度合いなどを評価されることが多いフェーズ。上層部が面接に出ることが多いので、いかにこれまでのフェーズで採用の確度を上げ、多くの情報を抽出するかが大事。

以上ノウハウ集より選考手法を抜粋しました。上から下に行くように、一次、二次などで適用されている頻度が高いかと思います。また選考をする上で候補者への負担も無視できないため、全てやればよいというわけではありません。高いCX(Candidate Experience)を実現するには、最小の時間で最大限の情報を候補者から引き出す必要があります。

まとめ

最後まで読んでいただきありがとうございます。本記事では採用プロセス編の最初の記事として、採用選考の重要性、どういった選考手法があるか等をまとめました。次回の記事では実際に筆者がエンジニア採用の受けた著名企業の選考プロセスをまとめ、ご紹介しますので次回以降の記事も乞うご期待下さい。

また弊社ではテクノロジーのバックグラウンドがなくてもエンジニアの技術力がひと目で定量化されわかるコーディング試験サービス『HireRoo(ハイヤールー)』を提供しています。もし読者の方で「選考時に候補者の技術力を測れない」、「過去にミスマッチが起きて、もう絶対起こしたくない!」等の課題を持たれている方がおられましたら、お気軽にお問い合わせください。それではまた来週!

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