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失敗しないエンジニア採用その②:採用媒体の紹介

こんにちは。株式会社ハイヤールー代表の葛岡(@kkosukeee)です。弊社にはDocs約50ページ程の採用ノウハウが溜まっており、失敗しないエンジニア採用についてオウンドメディアに記事を毎週投稿しています。第二弾は母集団形成編その②で、5本立ての母集団形成編の内、採用媒体の選定に焦点をあて説明します。

この記事では第一弾で定義されたエンジニアレベルをもとに書かれています。エンジニアレベルについて知りたい方はこちらのリンクより第一弾の記事をご一読ください。

エンジニア採用に関わる人事の方、これからエンジニア組織を作っていく経営者の方などに参考となる記事になっていますので是非ご一読下さい。

エンジニア採用媒体について

※ここでは様々なエンジニア採用に使える媒体と特性を紹介しますが、これらはあくまで筆者の経験と立ち上げフェーズに100社近くを対象に行なったヒアリングの結果に基づくものであり、事実とは異なる可能性がありますので、その点をご留意されたうえでご参考にしてください。

エンジニア採用媒体は数多くありますが、各媒体で抱えてるエンジニアのレベル感が必ず異なります。たとえばWantedlyでは近年L1, L2層が増えてきており過去と比較すると媒体が抱える母集団の傾向が変わってきていることがヒアリングを通してわかりました。これはWantedlyといった誰でも登録できる媒体の性質上おきやすく、完全審査製の媒体と比較すると抱えてるエンジニアの母数が多い分、抱えているエンジニアの質が大きく異なります。

前回の記事にあるように、どの層のエンジニアを採用したいかを明確にすることで、リーチしたい層を抱えている媒体を効率よく使用することができ、結果として採用に繋がる母集団の形成(採用につながらない母集団に関しては後述)をすることができます。ここでは各レベルのエンジニアがどの媒体に多く属しているか、どのような特性を持っているかをノウハウ集より一部抜粋したいと思います。(なお、本投稿の数値や傾向は2022年1月時点でのものであり、これらの傾向は将来的には変わる可能性があります。)

L1~L2層の採用ができる媒体(ABC順で列挙)

Green

サービスが15年近く続いており、登録者数は約87万人(2021年5月時点)とかなり多い。母集団の年齢層が他の媒体と比較して若く、若年層のエンジニア(20~29歳が約半分、30~39歳を含むと約80%:参考)が多い。若年層が多いため即戦力として活躍できるL3以上のエンジニア採用より、成長ポテンシャルを持っているL1, L2層の採用では活躍する傾向。またL1のみを囲う媒体と比較して約一年分程のキャリアにアドバテージがある。

Indeed

他の求人媒体と比較し、検索エンジン的なユニークな立ち位置。登録者数、ユニークビジターの数は他と比較すると圧倒的だが、エンジニア特化型ではなく、アルバイト等もリスティングされているため、数で見ると多いが、エンジニアに絞るとどのくらいの母数がいるかは未知数。誰でも登録でき、求人検索ができるためエンジニアの質はまちまちだが、L1, L2に集中しがちな傾向(L3, L4をターゲットとする企業で採用が難航していた)。

Wantedly

給料・待遇などの条件ではなく、やりがいや環境で求人者と企業をマッチングする、LinkedInなどに近いビジネスSNS。知名度はかなり高く、母集団の数もかなり多い。エンジニア採用にも使える。誰でも登録できるという特性上、完全審査製の媒体と比較し、L1, L2層が多い傾向。L3~L4を採用するにはスカウトでターゲッティングする必要がある。カルチャーに共感して入社する人が他の媒体と比較して多いため意欲のあるエンジニア、成長ポテンシャルを秘めたエンジニアが多い傾向がスタートアップとマッチする。

L3~L4層の採用ができる媒体(ABC順で列挙)

BizReach(Binar)

管理職や専門職など、ハイクラス人材の転職に特化した転職サイト。審査制のため、ハイクラスの人材確保が可能に。エンジニア特価の媒体とは異なり、ビジネス職も多いが、優秀なエンジニアも囲っている。一方Binarはハイクラスのエンジニアのみをターゲットしており、リリース当初、年収1000万以上を条件に登録を募集していたが母数が集まらなく、少し制約を緩和したことをきっかけに囲っているエンジニアの層が少し変わったの声。

Findy

スカウト型リクルーティングサービス、エンジニアの登録者数約70,000人(2022年1月時点)と、決して少なくないが、Green、Wantedlyなどと比較すると数で劣る。登録しているエンジニアがGitHubなどを連携させることで自動でスコアリングされ、企業側からアプローチしマッチングする仕組み。ただし評価軸はOSSへのコミットが高い人が高く評価されるため、優秀な社会人エンジニアでもアウトプットがないとスコア上低く評価される傾向がある。

Lapras

エンジニアの登録者数約20,000人(2022年1月時点)と類似サービスの中では少し数で劣るが、元々はインターネット上の情報をクローリングし、登録の有無問わずリスティングしていたこともあり、検索対象のエンジニアの数は約53万(2022年1月時点)人と多い。一方で直近転職を検討していない潜在層も混ざっており、転職意欲や直近のログイン日時を見てフィルタしていくと、検索条件によってはマッチする人材は限られる傾向がある。Findy同様に自動でスコアリングされるが、OSSなどをベースに評価しているため、アウトプットがない優秀層のエンジニアは過小評価される傾向がある。

転職ドラフト

企業がITエンジニアの年収を提示した上で競争入札するイベント形式のダイレクトリクルーティングサービス。優秀なエンジニアを囲うために現役エンジニアによる審査制度を設けており、実際にL3, L4あたりのエンジニアが多数いるとの声。ただしスタートアップの観点では大企業など資本のある会社と入札で競合した場合に勝ち目が少なく、資本力のない会社は少し不利な傾向。

L5層が採用できる媒体(ABC順で列挙)

結論から申し上げると、L5層が多い媒体はありません(あくまで筆者の経験に基づく意見ですので、あるよという方いらっしゃいましたらご指摘下さい)。L5に限らず、L1からL4にかけて、媒体にいる割合は減ります。その中でもL3、L4はスカウトなどを通しリーチできますが、L5に関しては媒体に自ら登録せずしても、色んな会社からエージェントなどを通して引っ張りだこの人材であるため、中々自ら媒体に現れることはありません。

その中、媒体ではありませんがL5層にリーチできるサイト等をノウハウ集ではまとめており、一部抜粋したものを以下に記載します。

AtCoder(競プロ)

日本で恐らく知名度No1を誇る競技プログラミングサイト。転職サイトではないため、必ずしもみな転職意欲が高いわけではない。上位層では大企業やDeNA、メルカリ、M3等といったメガベンチャー、CADDiやPFN等勢いのあるスタートアップ等に所属しているケースが多く見られる。ただしプログラミング技術が高いということは、必ずしも組織で活躍できるエンジニアとは限らない(システム設計力など異なった技術も必要のため)のでその点は別軸で評価が必要。

またAtCoder Jobsという転職サイトも存在しており、転職媒体としても使えるが、ヒアリングしたL4をターゲットとする企業によると優秀な人材はいるが、過去に面接までいったケースは多くなく、採用媒体としての認知度はまだ少し低い。

Kaggle(競プロ)

データサイエンティストの競技プログラミングプラットフォーム。2017年にGoogleが買収。Kaggle MasterやKaggle Grandmasterは日本でもトップクラスのデータサイエンティストで、所属企業にはDeNA、PFN、グローバルテック企業等といったところが多い。AtCoder同様に競技プログラミングサイトということもあり、趣味でやっている方も一定数いるので、転職意欲は他の媒体と比較すると低い傾向。

Kaggle MasterやGrandmasterはインフルエンサー的な立ち位置で発信力もあり、戦力としてだけでなく、採用における広告塔として活躍できる側面もある。後に採用マーケティング文脈で実際Kaggler戦略がうまく機能したDeNAを事例として母集団形成編その③で取り上げる。

その他エージェント

成果報酬型で契約できるエージェント。エージェントフィーは高く、大体一成約あたり年収の30%~50%を報酬として支払うことが多い(1,000万の人を採用した場合300万円~500万円でハイクラスの人ほどパーセンテージが高い傾向)。採用人数をもっと増やしたい場合はエージェントフィーを調整することでよりアグレッシブに動いてもらえる点が便利だったりする。媒体に登録していない転職潜在層や優秀な人材に直接アプローチできるのが利点。

LinkedInやBizReachなどを通して直接ハイキャリアな人材にスカウト送信する 場合、自社でかける採用コストは削減できる一方、エージェントの技術力に対しての理解はまちまちであり、かならずしも紹介される人材全てが優秀とは限らないので鵜呑みは禁物。

採用媒体の選定

求人倍率9倍という不均衡な状況下で、多くの企業がやりがちなのがとにかく色んな媒体に募集を出せばよいという考えです。たくさんの媒体に募集を出すと応募数は増えるかもしれませんが、必ずしもそれが採用につながるとは言えません。例えばL4, L5のエンジニアを採用したいのに、L1, L2を多く抱える媒体に募集を出しても応募はあるかもしれませんが、最終的に採用につながる数では大きく変わらないはずです。

前述した採用に繋がる母集団の形成とはこのことを示しており、応募がある分錯覚を起こしてしまいがちなのですが、中長期的に見ると媒体にかけるコストと応募数は伸びる一方、採用できるエンジニアの数が伸びることはないでしょう。採用オペレーションに関わる人事のコストも考えると、非常に非効率でスマートな方法ではないためおすすめしません。必ず採用したい層にリーチできる媒体を選び、定期的に採用につながった割合などをファンネルで分析し見直しましょう。

まとめ

エンジニア採用の一番の課題は母集団形成にあり、課題が大きい分数多くの媒体があります。ここでは有名な媒体を一部紹介しましたが、もちろん全てをカバーしているわけではありません。自社で既に使っている媒体の特性を洗い出し、本当にリーチしたい層に対して募集を出せているかを今一度確認してみてはいかがでしょうか?

欲しい層を明確に定義し、欲しい層が集まる媒体に募集を出し、欲しい層のエンジニアに対し有効な採用マーケティングを継続的に行うことで母集団は必ず形成できます。次回記事では認知してもらうために行える採用マーケティングを事例を交えてご紹介します。最後まで読んでいただきありがとうございました。次回もお楽しみに。

※このシリーズは弊社がコーディング試験サービスを立ち上げ時に行った100社弱を対象に行ったヒアリングの結果をもとに社内共有目的で作成された採用ノウハウ集をもとにしています。エンジニアに採用に悩みを持たれている企業の担当者様が読者におられましたら、是非お気軽に弊社までご連絡ください。なにか力になれることがあるかもしれません。

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